イチロー 日本人選手最多安打記録更新

イチローが張本勲氏の持つ日本人選手通算安打記録を後進。
また新たな伝説を作った。

日本最高峰「3086」という頂。
そこに届いた瞬間、イチローの心内は晴れやかであった。
4回、エンゼルスの先発・ソーンダースの直球を振り抜くと、
鋭い打球が1、2塁間を抜け、日本人選手最多安打となった。
頂に着くまでの道のりは、傍から見れば順風満帆であったかもしれない。
しかし、イチロー本人にとっては険しく、厳しい山道でもあった。

2006年(224安打)、2007年(238安打)のイチローであれば、
この数字は08年シーズン中に超えられたはず。
8年連続200安打というメジャータイ記録は樹立したが、
8年間で3番目に少ない213安打に留まる。
「張本超え」のプレッシャーなのか、3085安打に2本足りずシーズンを終えた。
2009年シーズン開幕の前にはWBCがイチローを苦しめた。
代表をけん引し2連覇に導いたが、
マリナーズに合流した直後に胃潰瘍で、メジャー初の故障者リスト入り。
行く手を阻まれそうになったとき、それを乗り越えたものは「努力」であった。
「誰よりも早く来て打ち、試合直前まで打ち、代表の誰よりもバットを振っていた」
とWBC日本代表コーチ・高代延博氏。
努力の天才でもあるからこそ、頂を見られる権利を得て、
「すごく晴れやかでいい景色」が見られたのだ。
この先イチローが目指すモノとは？誰も達しえない頂に登るその姿が楽しみだ。

イチロー「プレッシャーがかかった中でどうやって抜け出すか 聞かれますけど、
その方法はないですね。苦しみを気負ってプレーするしかない」と語った。

次の目標は、9年連続200安打だ。