花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

よみうりカルチャー手話教室ステップクラスの授業 #5 (2014.4~6月期)

5月8日、よみうりカルチャー川崎手話教室
ステップアップクラス(4~6月期)の授業、第5回目を開催した。

ろう的手話⇔日本語の『翻訳』について。

ろう的手話と日本語では、組み立てや文法など別物なんだよ。
その中で、日本語をいかに手話のイメージに近づけるかが重要で、
そのためには細かな勉強が必要になる。

単語の表面上の意味を覚えただけで、翻訳することはとても難しいことなんだ。

今日のテーマ『翻訳』
ろう者的手話を生徒さんに翻訳してもらったよ。

オレ/『ポ』/言われる/『ポ』
(表情は怪訝、不快そうに)
[『ポ』については、下記※1写真を参照]

これ、どうやって訳す?
生徒さんに考えて翻訳してもらったよ。

最初の『ポ』と最後の『ポ』の表現は似ているが、
これをそれぞれどのように訳すのかがポイントだ。

翻訳なので、もちろん正解は1つではない。

オレ/『ポ』/言われる/『ポ』

・なんでオレ?勝手に言いやがって……
・なんでオレなんだよ、自分の都合ばかり言って!
・え?オレ?そんなこと言うのおかしくない?
・オレかよっっ!なんだよ、それ!
・なんでオレ?そんなこと言われる筋合いないけど。
など……

手話を日本語で100%完璧に変換することは出来ない。
つまり大事なことは、正解がどれということではなく、
手話表現をいかに近いニュアンスで日本語翻訳できるかということなんだ。

ここで言うところの『ポ』についても、
口形『ポ』というときもあるし、別の口形の場合もあり、『無音』の場合もある。

また、鼻から下に手を動かすことや、
下から鼻につける動作、その他にも細かな動作がある。
そして、手指の動きだけではなく、表情によってもニュアンスが変わるわけだ。

※1写真
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何度もそういうシュチュエーションに出会い、
自然とその意味を把握していくのが一番なんだよね。
また自分でもそれを会話の中で、表現してみるとわかることもあるよ。

手話は動きと表情のある言語であり、動きや表情にそれぞれに意味があるから、
テレビやテキスト、本の学習だけでは、限界がある。
blogでも文章だけでは、説明しきれないんだよな。

だから本当は、実際に手話表現を見て実際に感じとってもらいたいんだ。
手話教室などに行って、生の動きのある手話を目にしてほしいな。

『翻訳』これは本当に難しいテーマで、かつ大切な勉強なんだよ。


また会おうな、お疲れさん。

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