花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

よみうりカルチャー川崎手話教室ステップアップの授業 #7 (4~6月期)

5月22日、よみうりカルチャー川崎手話教室
ステップアップクラス(4~6月期)の授業、第7回目を開催した。

 テーマ【感情表現を含む文章の翻訳】
感情にかかわる手話表現を読み取り、生徒さんに翻訳してもらった。

【アフリカに行くか迷ったけど、覚悟して行くことを決心した。】という日本語文を、

○日本語対応手話で表すと
アフリカ/行く/どっち?/迷う/でも/覚悟※1/行く/決める/した

○日本手話で表すと、
アフリカ/飛行機(行く)/悩む/迷う/覚悟※2/飛行機(行く)/決心(口形:パ)

この2つの違いは何かというと、
まず見てハッキリとわかるのは、※部分の手話表現の違い。

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①覚悟⇒覚悟する、腹をくくる
②覚悟⇒覚悟する、思いきって
☆覚悟する/思いきって、という表現は、
ろう者的手話表現では、②のように表現する。

①行く⇒人差し指を行く方向に動かす
②行く⇒飛行機で行く

☆『行く』という単語にだけとらわれて表現するのではなく、
どこに、なにで行くのかということを考えて『行く』を工夫し表現をしてみよう。

①迷う⇒体の前で両手の平を上に向け、左右に揺らす動き
②悩む⇒頭の横で指文字のロのような右手と左手をグルグル回す動き

☆覚悟して行くことを決めるという重大な決断をしたということは、
迷うよりも悩む方が、 意味としてよりリアルに気持ちが伝わる表現になる。

それぞれの①と②の意味は近くても、手話はまったく違う表現だ。
つまり、日本語の言葉どおりの手話単語をそのまま当てはめるだけではなく、
翻訳とは、工夫し、より的確に意味の合った手話や日本語を選ぶということが大切なんだよ。

そして、リズムや間、動き、表情、強弱も重要なことだから、頭にいれておいてな。

とても難しい授業内容だけど、大事なことだよ。

手話を見てイメージをつかみ、的確に読み取って、
翻訳する力を磨いていこうな。

○覚悟※2 ろう的手話
前後の文章の流れや、表情、使い方によっても、いろんな意味に変化する。

○今回のブログにおいても言えることは、
手話表現は1つではなくて、いろいろなパターンがある。 
覚悟※1も覚悟※2も、使い方によっては、様々な意味に変化する。

また会おうな、お疲れさん。

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