花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

発表会から学ぶこと #9 状況適応力

手話あいらんど手話教室の発表会を今週土曜日に控え、
今、生徒さんは一生懸命、練習に励んでるよ。

今回、一番重要なテーマは、状況適応力。

練習を見てて、思ったことがある。

この発表会では、決まったセリフを覚え、
それを間違わずに表現することが、重要なのではない。

セリフやタイミングを覚えたことに満足するのではなく、
その場の雰囲気を感じ、空気を読んで、それに合う動きをすることが大切なんだよ。

自分のセリフを覚え、相手のセリフの後には、このセリフ、その次はこのセリフ……
そしてここのタイミングで、1、2、3、ハイ、というのでは、ダメなんだよ。

例えばさ、嫌な相手を救出しなくてはならないシーンがあったとする。
自分が助けなきゃ、相手が落ちてしまう状況の際、
助けたくないけど助けるべきかという、
心の葛藤、悩み、迷い、覚悟…そして落ちる瞬間に、手を差しのべる!
このタイミングだよ。

覚えて動くのではなく、相手の動き、
その場の雰囲気や空気読んで、絶妙なタイミングを計るんだよ。

何度もダメ出し、もう一回、もう一回…と生徒さんは、やり直す。

さっき相談したし、これでいいんじゃない?
事前の打ち合わせしたいけどいい?なんて言われる。
いやいや、そうじゃないんだよ。

打ち合わせ通りの決まった表現をしてほしいわけじゃないんだ。
その場の雰囲気を読んでほしいんだよ。

この勉強には、大きな意味がある。

日常生活の中で、打ち合わせしてから動くってないよな。
すべてが一発本番。

例えば、
ろうと会ったときに、練習やセリフもなければ、事前の打ち合わせだってないわけだよ。
コミュニケーションするのに、台本はないわけだからさ、相手がどう出るか、わからない。
大事なことは、その状況に、どう対応するかだよ。

人とコミュニケーションする際に大事なことは、その場の空気や雰囲気を読み、
状況に瞬時に対応できるかどうかということ。

野球に例えると…
123、打つ!のタイミングで、全てがヒットするわけじゃないよね。
ピッチャーによって、タイミングはそれぞれだし、癖もあるわけだから、
123、打つ!の、ひとつ覚えでいると、ズレて当たらないということになる。
その場その場で適応していかなくてはならない。

そして、台本やセリフばかり覚えていると、
相手の会話を見ずに自分の手話表現だけが気になってしまうんだよ

もし、セリフ忘れたらどうする?
お互いに焦り、そこで止まっちゃうよな。
それじゃ、まったく意味がないよ。

もし、セリフを忘れたとしても、相手の手話を見て理解していれば、
セリフにこだわらずに、とっさに別の表現が出てくるよな。
慌てずに、自然なアドリブで調整できるんだ。

この勉強はさ、
場の雰囲気を読んで、その都度、臨機応変に対応できるようにとの練習なんだ。

つまり、この発表会から学ぶことは、
雰囲気を読み、即座に状況判断できる適応力を身につける、
それを磨き、学ぶことなんだ。

失敗してもかまわないよ、勉強の場なんだから。
失敗を重ねてもいい、その経験がかならず成功につながるんだよ。

発表会にむけて、生徒さんたちみんな頑張れ!
応援しているよ。

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