花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

講演会&ワークショップ@狛江

3月19日(木)講演会を開催した。

本当は、よみかる川崎ステップクラスの授業があるはずなんだけど、
代講をお願いし、狛江市での講演に行ってきたんだ。

小田急線沿線の狛江は、下車したことがなかったんだけど、今回初めて降りたよ。
落ち着いた雰囲気の街並みで、とても良い所だったよ。
渋谷や三茶とは雰囲気が違い、静かで落ち着いていて、
道が広く歩きやすくて、とてもいい環境だった。

待ち合わせよりも早く着き時間が余っていたので、
オレの好きなフレッシュネスバーガーを見つけ、入ったんだ。
ハンバーガーとポテトにコーラ、やっぱりうまいな!!
いつも日本食が多いから、久しぶりに食べると、本当うまいよな!


今回のテーマは、講演とワークショップ

講演の内容は、最近の自分の状況、いろいろな教室での講師活動についてや、
子供時代や姫路ろう学校での様子など。

手話って面白いことに、一人一人話し方って違うんだよな。
聴者でも、高い声や低い声など、
一人一人の声のトーンが違うのと同じように手話にもその違いがでるんだよ。

老若男女それぞれ手話が違うし、
自分に自信がある、ないだけでも、それが表現に現れる。

聴者も、自身に満ち溢れてる人の声はハキハキとしてるよね、
それと同じだよ。

ただ単に表現が大きい小さいの問題ではなくて、
性格や個人の持つ雰囲気って全部手話にでるんだよな。

手話を見て、「声、高いよね?」って聞いたら、
「なんで?わかるの??聴こえてるの??」
「オレは聴こえないよ」と言うと、 
「なんでーわかったの????」と、ビックリされるんだ。(笑)

今までたくさんの人と出会った経験からか、
手話を見ると性格や雰囲気がわかるんだよ。
とにかく、声と同じように一人一人、表現も違うんだよね。

それから、男性手話、女性手話、オカマ手話(笑)などある。
この手話は男性手話、これは女性手話と指導している人も多いよね。
でも、実際はそういうことじゃないんだよ。

例えば、
A「美味しい」→頬をポンポンとする
B「美味しい」→顎をなでる
C「うまい」→あごに拳でなでる

このCの「うまい!」は、男性手話ということでは、ない。
男女関係なく、雰囲気がこのCの表現が合う女性もいるよね。
たとえば、江角マキコさんなんて、Aの表現よりもBかCの表現が合うと思う。
男っぽいとかそういう意味じゃなくて、かっこいい女性のイメージなんだよね。

逆に、石原さとみさんは、Aの「美味し♡」ってイメージが合う。

つまり男性表現/女性表現と、区別するのではなくて、
雰囲気が合えばどの表現でもいいんだよ。

自分の目標とするイメージを選択すればいい。
オカマを目標とするなら、それはそれでいいと思うよ、
オレ指導するよ(笑)

確かに、講師が女性で生徒さんが男性だと、
女らしい仕草までもそのままに習得してしまうことってある。
そうするとちょっとオカマっぽい表現にみえることもあるな(笑)
その時は表現を修正することも必要だよ(´∇`)

男らしい手話、女らしい手話を身につけたいとか、
気になるところや、修正したい部分があるなど、
また、もっと手話表現力をアップさせたいとか 、
そのほかにも目的、目標がある人は、
オレがその部分を修正するから、任せて欲しい。
良いアドバイスするし、指導するよ。
是非、オレのカルチャーに来てみて。
目標に近づけるよう、その人が持っている力を引き出すよ。


【CLについて】

CLは、本当に大事だということを説明した。
CLと手話は別物ではない。
手話にCLを付け加えることで、より分かりやすい表現となるんだよ。
身振り、CL、手話を全部ひっくるめて工夫して表現することが、1番大切なんだ。
手話表現だけでは、通じないとき、
CLと身振りでよりわかりやすく補うってことなんだよ。


昔、手話を教えてもらう場所も機会もなく、
ろうを理由に学校の入学を断られたろう男性がいた。
その為、人とのコミュニケーションツールがなくて、
一人ぼっちで人生を過ごしてきた。

ある日、その男性が、野球でケガをして病院に行かなければならなかった。

役場に通訳依頼をお願いしたが、
手話も筆談もできないというと、通訳も決まらなかった。
そんな中、1人だけ通訳に名乗り出てくれた人がいたけれど、
心配していたとおり男性と通訳者はコミュニケーションがとれない
通訳者は、FAXで野球のケガという情報を得ていたので、
「野球のケガ」と通訳すると男性に、違うと言われた。
「他のスポーツでのケガですか?」
「違う」
「????(・_・?)」

話が進まないということだったので、オレがそこへサポートに行ったんだ。
【医者⇔通訳者⇔オレ⇔男性】という、
通訳者と男性との通訳のために、オレがかけつけた。

「野球じゃないの?
じゃ、ピッチングで肩を痛めた?」
「違う…」
「じゃ、スライディング?
ε≡ ヽ__〇ノ」
「違う…」
「ボールを取り、それを投げた時に肩を痛めた?」
「そう!!」

オレ、通訳者には、「野球でのケガで間違いないです」と伝えた。

つまり、彼の中では、野球と、ピッチャーが投げるのと、
スライディングとボールを受け投げるのは、
それぞれ別々のものだと思っていたんだ。

手話も筆談も通じない中で、
野球という単語以外のCLで表現したことで、彼の言いたいことが伝わったわけだ。
つまりCLは、どんな人にも通じるってことなんだよ。

それだけじゃなく、
ろう学校でも、手話のわからない先生の言いたいことと、
同級生の言いたいことにズレがあり、
それを解消するために、CLを用いてサポートしてきた。

手話だけじゃなくて、そこにCLを追加することで、
より細かく説明でき、相手に伝わるんだよ。

そして、ろうの考え方もオレにはわかる。
「手話+CL+工夫+ろうの考え方」を合わせ工夫し、
噛み砕いてわかりやすくそれぞれの相手に伝える、
そういう経験もたくさんしてきたよ。

世界で手話は共通ではない。
でも、CLは世界共通だ。
CLを理解し習得すれば、手話のの幅が広がるんだよと、
講演させてもらった。


ワークショップでは、CL表現を見てもらい、それが何かを当ててもらったよ。
例えば、パンの種類ってたくさんあるよね。
本には、「パン」という単語だけしか載っていないけど、
実際にはクロワッサン、メロンパンなど色々な種類がある。
ケーキもいろんな種類があるけど、CLではそれを表現することができるんだ。

みなさん、CLの大切さを理解してくれて、
これからはCLを習得したいって言ってくれた。

オレ、CLの説明ばかりするからか、CLのイメージが強すぎて困る(笑)
CLだけが先行してしまうのではなくて、
つまり、手話は、伝わるための工夫が大事だということなんだよね。

そこをふまえて、表現の幅を広げていってほしい。
皆さん、今後、自然なコミュニケーションで
ろうとのかけ橋になってもらえたら、すごく嬉しいよ。


今回は呼んでいただき、お集まりくださって本当にありがとうございました。


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