花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

発表会から学ぶこと #8 探究力

手話あいらんど手話教室の発表会がもうすぐだ。
今、生徒さんは練習に一生懸命励んでるよ。

オレ、今までに想像力・理解力・表現力…など話をしてきたよね。
今回は『探究力』の大切さだ。

この単語だけ見ると、確かに難しい言葉だよね。
探究力とは、物事に興味をもち追及する心、
つまり探究心につながる言葉だ。
人が向上するための力であり、
言うならば、理解し探究する力だ。

発表会は、テーマや内容について相談し、
ストーリーや配役を決め、練習し発表する…。
しかしただそれだけでは、良いものとはいえないんだ。

テーマを決め、配役が決まると、
みんなストーリーに固執しこだわりすぎる傾向があるんだよ。

ここで大切なことは、ストーリーにこだわるのではなくて、
ろうの気持ちや性格、考え方、その人生や環境、背景などを
想像し考えてほしいんだ。
役が決まれば、はいそれで終わりじゃなくて、
それについて深く調べて、探究してほしいんだよ。
その探究力、それこそが勉強なんだよ。

手話を勉強する上での基本、昔の状況、現在の状況、
未来でと変わっていくことや、
ろうだけじゃなく、健聴、難聴、コーダと様々なので、
そこを想像し探究し理解することが大切だよ。

深く探究し学び、そういった背景などを理解することで、
実際にろうと会ったときに、気持ちを理解することが出来ると思うよ。
基本を習得することで深いコミュニケーションができ、
自然でスムーズにろうと付き合うことが出来るよ。

健聴の人達が手話を学ぶ時に、
つい声に頼ってしまうことって、多々あるよね。
そうやって学んでいるうちは、なかなか手話を習得できないよ。
それだと、ろうと会話したときにズレが生じるのは当たり前だよ。
結局は、ろうが健聴に合わせ話しをすることになる。
本当は話したいこともたくさんあるけど、
100%の話も10~30%くらいでしか言えずにいる。
本当はたくさん話したいのにだ。
でも実際には伝わらないから、
話したいことを言えず我慢していることって、いっぱいあるんだ。
それは、ろうにとってはやっぱり不満に思うことだよ。

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基本が理解していないと、
深い部分でのコミュニケーションはなかなかできないよ。

表面的な部分では通じていると思いこんでいても、ズレが生じる。
実際は奥の深い部分で、食い違っていることって、本当に多いんだよ。

基本の勉強をしっかりすることが大切なんだ。
ろうと交流するだけでかまわないじゃなくて、
健聴の考え方、ろうの考え方や背景、環境など、
そういうことについても学んで欲しい。

以前、韓国の手話と日本の手話は、
70%くらい似ていると言われていたけど、実際は違うんだよ。
韓国の人と会話してなんとなく通じてると思いこんでいたけど、
後で勉強したら違っていたことにショックを受けたりする。
読み取っていたことが、実は違っているとか、
誤解したままということって結構あるんだよね。

例えば、日本の手話で『くだらない』という表現は、
韓国では『信じる』っていう意味なんだよ。
全く同じ表現でも意味が違ったりするんだ。
似てると言われていたけど、70%どころか20%以下だよ。
そういう誤解や思い込みも多いのだろうね。

それと同じでろうと健聴にも同じことが言えると思うよ。
なんとなく表面的には通じてるように思いこんでいても、
実際には通じてなかったとか、誤解したままのことって、
結構多いんだよ。

ろう、健聴に関係なく基本の勉強って必要なんだよね。
ろうだって、日本語や手話も勉強し磨くことも大切なんだよ。

基本を覚えたら、次は応用の発表だ。
発表会は、みんなで一緒に考え案を
出しあい、工夫し、自分の力を全部出しきる場だ。
自分がわからない世界の事でも、
それぞれにアイディアを出しあうことで、
へーなるほどと発見し気がつくことがいっぱいあるんだよ。
基本、応用の次は実感だよ。
ここで言う実感とは、ろうと実際に
出会い深くコミュニケーションができるということ。

通訳ならば技術だけじゃなく、ろうの気持ちなどの表現もしてほしい。

探究することは、難しいけれど、それは楽しみにもつながるよね。
興味を持ち、好奇心にかられるということはとても大事なことだよ。
好奇心を持つことで、探究力もアップするんだ。

苦手だから、わからない、できないではなく、
なんでも挑戦してみるのがいい。
それこそが向上につながるんだよ。

失敗してもかまわないよ、勉強の場なんだから。
失敗を重ねてもいい、その経験がかならず成功につながるんだよ。

発表会にむけて、生徒さんたちみんな頑張れ!
応援しているよ。

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