花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

盛彦コラム #31 指導法 vol.2

今回は指導法の続きを、話そうと思う。

オレの指導法はというと、手話単語の意味をすぐに日本語で教えたりはしない。

また指文字、助詞、接続詞などは、
安易に使わないこと、封印することに意味があるとしているんだ。

単語レベルでいうと、使う・無い・でも・だから…などで、
なぜ使わないかは、手話のイメージ力アップのために大きな意味があるんだよ。

その表現が良いとか悪いとかそういうことじゃないんだよ、わかるかな。

例えばさ、犬の種類っていろいろだよね。

特に海外の犬種なんてカタカナの長い名前だし、
それを指文字で表現されたってイメージがわかないんだ。

聴者は耳で聞いて、音で名称を覚えるけれど、
ろうは音ではなく、目でみた視覚で記憶するんだよ。

つまり、指文字で音読み表現されても、
なんの犬種の事なのかのイメージがつきにくいんだ。

ろうは、映像で見たままに視覚から記憶するのだから、
鼻が低くて、耳先が少し折れてて毛は短毛とか、
鼻先が長くて、大きなたれ耳で長毛などと、
顔の違いや特徴をイメージで表現した方がなんの犬種かが通じるんだよ。

イメージ表現を習得した後に、
指文字表現するのは、それは自由だからかまわない。

しかし、なんでもかんでも、
最初から指文字=音読みで伝えればいいってことではないんだよ。

それを理解して欲しくて、安易に指文字に頼らないよう指導している。

他にも意味があって、想像力や工夫する力が成長しないんだ。

まず最初にイメージ力を身につけることが重要なんだよ。

まずそれが理解できてないと、
指文字を最初に覚えさえすれば手話は通じるんだ、という誤解が生じてしまう。

生徒たちの力、イメージ力を、
どうやったらうまく引き出せるのか…それが本当に重要だ。

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技術や単語をたくさん
覚えればいいんだっていう考え方ではよくない。

技術を磨いて、実際通じないと、そこでやめてしまう人も多いんだよな。
そういう話はよく聞くし、そんな人をたくさん見てきたよ。

つまり手話学習者に、最初に指導しなければならないことは、
手話単語でもなければ、手話技術でもない。

それは、イメージ力だったり、
想像力、工夫力、修正力、理解力、対応力など、それらに気づく力なんだよ。

オレ、よりたくさんの人と通じる為の指導をしている。

どうやったら相手に通じるかという「通じる工夫」それがすごく大切なんだよ。
工夫力や気づく力が、カギとなる。

生徒さんの持っている力や可能性をいかにして最大限に引き出せるかが、
講師としての指導力が問われるところだよな。

結局、通訳として通じない、壁にぶつかる
読み取れない、うまく表現できない、 行き詰まってしまうなどの課題は、
手話指導者たち側にも大いに責任があるんだと思う。

ろう講師だからって、良い指導者とは限らない。

いい加減なデタラメ教えてるなってこと、実際よくあるんだよ。

手話レベルが高い手話学習者から見たらそれは、すぐにバレてしまうことなんだけど、
手話初めての人は、何にもわからないから素直にそれを吸収してしまうんだよな。

後から違うじゃんとわかった時には、修正って難しいんだよな。

生徒さんから、
最初から花井先生に習えばよかった時間の無駄だったなんていってもらえるのは、
講師として素直に嬉しい。

指導者側の課題がまだまだなんだと感じ、
それはそれで複雑な気持ちにもなるよな。

ろう者だから手話講師という簡単な問題じゃないからな。

指導者と学ぶ側それぞれが共に成長しつづけ、
レベルアップしていく必要があるんだよな。

レッスンが終わったら、それで終了ではなく、
講師として、指導法を常に磨いていくことが本当に重要なことだと思ってる。

オレも長い間、
手話講師として指導してきて、工夫や探究をして、いろんな発見があった。

手話学習者が、手話がうまくなりたいって思うのは当り前のことで、
それ以上にいい通訳士を目指したいとか、
すごい通訳者になりたいってそんなふうに目標を高く持って欲しい

人間力がアップすれば、
手話力もアップする、
手話を学習することによって、結びつく部分はいっぱいあるよ。

手話学習だけでなく、人生の勉強だ。
そのヒントになるものが手話にはいっぱいあるとオレは思っている

オレ、すごい手話講師を目指してるよ。
これからも日々研鑽を積み、向上していきたいと思ってる。

単なる手話学習だけで終わりではなく、
視野の広い人としてを磨くために、一緒にレベルアップしていこう。

一緒に学んでいこうな、よろしくな。


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