花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

目で聴く健康レシピ「認知症」リポーター(手話)

オレ、目で聴く健康レシピ「認知症」リポーター出演した。



特別養護老人ホームに併設された診療所「双葉会診療所」
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こんにちは。花井盛彦です。
ここは東京都…といっても山や川に囲まれていて
なんだか雰囲気が違います。
ここは奥多摩です。
東京都の西の端っこなんですよ。
ここは特別養護老人ホームに併設された診療所「双葉会診療所」です。
精神科の医師 片倉和彦先生にお話を伺うために来ました。
それにしても都心から電車で2時間…遠いなあ!
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精神科医 片倉和彦先生
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大学生時代 先輩にろう者がいたのがきっかけで手話と出会い
現在 知的障害者施設やろう重複施設の嘱託医も兼任しています。






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花井「花井です。よろしくお願いします。
これはあくまでも僕自身の話ではありませんが、
岡本かおりキャスターが最近会った人の名前が
思いだせないとか物忘れが多いとか認知症の始まりじゃないか…って
心配してるんです。「若年症アルツハイマー」とかそれも認知症ですよね?」

片倉先生「今の岡本さんの話ですが、
例えば名前を忘れるとか何か取りにいって忘れたとか
そういうことで相談を受けることはありますが
ほとんどの場合、名前を忘れたとか 取りにいった物が何なのか忘れたとか
道で挨拶された人の名前が思い出せないとか
そういうときはだいたい大丈夫なんですよ。
なぜかというと
忘れたことをひとつひとつ覚えている
忘れたからくやしい
というように覚えていられる
ひとつひとつを忘れているのは大丈夫で認知症とは違うんです。」



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花井「違うんですか?知りませんでした。
認知症のことがよくわからないので詳しく教えてください。」

片倉先生「今ひとつひとつを忘れるのは大丈夫だと言いました。
ひとつひとつを忘れることを「ど忘れ」と言います
この場合は忘れたことが
くやしいし、忘れたことはそれほど重要じゃないし
後から思い出すこともあるし
そういうのは「ど忘れ」なんですが、
認知症というのはひとつひとつを忘れるんじゃなくて全体を忘れてしまう
難しい言い方ですが、
全体を忘れるから逆にひとつひとつを忘れたことは引っかからない
あれを忘れたから悔しいということにはならないで
ボーッとしているとか前の顔と変わってきたり
または前の雰囲気と違ってきたり
真面目だったのが不真面目になったり
交通事故が増えたり…そういう
変わってしまう様子を言います。」

花井「状況全体の意味も理解できなくなるということなんですか?」

片倉先生「例えばテレビをつけると何か画面が出てくる
これをぱっと見て僕らもわからないことはあるけれども
見ているうちにわかるけど
(認知症の場合は)全体を忘れるから
ぱっと見てわからない
次をみてもわからない
続かないので実際に何が出ているかがわからない。
それがテレビの場合だけではなくて
普段の生活の中で誰かが来て何か言う
ひとつひとつが
覚えられないんじゃなくて
全部が続かないから
何を言われているのかがわからなくて
けど怒っている顔だけは
覚えていたりすることがあります。」

花井「日常生活に支障をきたすときに薬とか何か治療方法はあるんですか?」

片倉先生認知症かな?と思ったら
またアルツハイマーかな?と
思った時に使う薬はあります。
ものすごく効くかどうかはわかりませんが、
ちょっとずつ効いて生活の助けになることはあります。
薬を使うのもひとつの方法です。
ただ、認知症の場合薬だけではなくて
やはり「役割がない」
そんな中で頭を使わないということもあるので…
認知症の人は安心感が持てないんです。
例えば家の中に居るおじいさん全部を忘れてしまっているので
ここが自分の家ということがわからない。
わからないから夕方になると出ていこうとする。
そういうときに例えば お嫁さんが真面目な顔をして
「ここはあなたの家ですなぜならば…」と説明しても怒った顔に見えて
おじいさんは怖い「怖いから逃げ出そう」ということになってしまう。
でも、おじいさんが不安でいっぱいなことをわかってあげて
今夜はもう遅いのでここに泊まっていきませんか?とニコッとして言うとか
または一緒に外を歩いて回ってきたりすると安心できて家に居ることができる。
認知症の人はニコニコしてる人も居るんだけど、
不安がいっぱいなので
それに対しては
不安がいっぱいなんだから、せめて優しくというか
不安を減らすような話しかたが良いと思います。」



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花井「優しい顔を接することが大切なんですね…ニコニコ顔でね。」

片倉先生「顔だけニコニコしてても
自然ではないので難しいですね。
介護している人の疲れもどこかで解消することも
考えないといけないですね。
介護する人が疲れていたら笑顔にはならないですね。
言葉があって
説得すると心配が増える
でも、笑顔で説得させてもらうと
心配も減るという意味で
「説得より納得」
という言葉があります。
これが大切だと思います。
例えば老人ホームの場合、
認知症の人が真面目な職員から話しかけられると正しいことを
言われるから逆に怖くなる。
ところが、認知症の人と認知症の人が一緒に座ってて話は通じてないんだけど
お互いにニコニコして話ができていると安心できる。
そういう同じ障害同士の関係があると落ち着いて少し良くなることがあります。
それも言葉があって
「なじみの関係」と言います。」

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花井認知症にならない予防方法ってありますか?」

片倉先生「今までの話にも関係あるんですが、
ひとつには身体の健康を維持すること
頭の中の血管が壊れると忘れることが増えますから
例えば血圧を正常に保つとか
糖尿病があれば
それを悪化させない
それからやはりタバコは止めた方が良い。
最近は特に身体の中の血管の若さを保つということが大切と言われています。
もう一つはやはり「役割」が大切です。
特に男性の場合60歳で定年で会社をやめた途端に気が抜けてしまう人が居ますので
例えば仕事をやめた後も地域で活動するとかろう運動に頑張るとか料理をするとか
色んな役目を作った方が良いですね。
女性の方が役目がたくさんあるので少し安心できるんですが、
それでも女性も色んな役目を作っておいた方がいいでしょうね。」


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花井「家にじっとしているんではなくて外で活動するということですね。」

片倉先生「家の中に居てもちょっと動くのが良いということです。」

花井「なるほどとても勉強になりました。ありがとうございました。
岡本さんは心配ないということですね、良かった。」

片倉先生「はい ありがとうございました。」

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