花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

手話レッスン #9

よみかる×OFFICEコラボの特別課外レッスンを現在開催している。
そのため、いろいろな生徒さんが参加してくれる。

ろう難聴者方なども申し込んでくれるので、
カルチャーでは出来ないような普段とは違った交流や、レッスンができるんだ。

参加者からは凄く楽しかったなんて言ってもらえ、オレも嬉しいよ。

そんな課外レッスンの中での気になったことや、ポイントについて。

聴とろう難聴による会話のズレが時々起こっていた。
そのズレについて、取り上げてみる。

聴の「どこに住んでるの?」という質問に対して
ろう難聴は、「神奈川に住んでいて、出身は京都です」と自然な回答。
これに対して聴は、
「へー、神奈川なんですね」と……。

あれ?京都の件は?
出身が京都って話したのにそれについては、スルー?

回答は、「住んでるのは、神奈川。出身は京都」
だったのに、その出身の部分については、抜け落ちてたわけだよね。

「神奈川の後に、なんて言ってた?」と聞いてみると
「……???(๑•  •๑)?」

「出身は京都って言ってたよ」
と、改めて確認してもらった。

これ当たり前の自然な表現なんだよ。

質問は、「住んでるところ、どこ?」
だったから、それに対しての回答は、1つだと思い込んでいる。

つまり、
「どこに住んでる?」
「〇〇」
で、そこで会話は終わりではないという事だよ。

会話というのは、どんどん膨らましながらコミュニケーションをとることだよね。

「神奈川。」だけで終わると会話はそこで途切れてしまうよな。

「神奈川に住んでるけど、出身は京都なの。」
と、自分の事を自然に話す事は、会話では、とても大切なことなんだよ。

質問したことの答えを勝手に想定しそれにとらわれるのではなく、
会話の全体を見ることがとても重要なんだ。
相手の話を、勝手に省いちゃだめだよ。


また他にも、ラグビーと相撲についての話題があった。

聴は「ラグビーと相撲どっちがすき?」と質問されたと思い込んだ。
でも実際は、「五郎丸と琴奨菊どっちが好き?」
という内容だったんだ。

ラグビー/五郎丸ポーズ=五郎丸選手
・相撲/反り返りポーズ= 琴奨菊

ラグビーでは、
キック前のルーティン「五郎丸ポーズ」は、今や有名だよな。

相撲では、
立ち合い前のルーティン「反り返るポーズ」は、琴奨菊のことだ。

そういったひとつひとつの表現を見逃さないこと。

逆に、より相手に伝わりやすくするためには、
そこに選手という表現をいれる工夫をするのも大事なことだ。

会話の一部分に焦点を当てるのではなく、全体を読み取ろうな。
ズレに気がつくということが、何よりも大切だよ。

飲み会や交流の場でもこのズレは、よく起こる。
ろうがたくさんの会話をふっても、抜け落ちてスルーされてしまうことが、多々あるよ。

レッスンの中でもそのようなズレがあったので、
それを気づかせるよう指導をした。

とても大切な勉強だったと思う。

お疲れさん。


イメージ 1





イメージ 2

イメージ 3

イメージ 2