花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

手話レッスン #20

最近のレッスンの大事なポイントについて。

授業の中では、真面目な話から冗談話まで幅広い話題でトークしている。

レベルが高く手話に慣れている生徒さんは、どんな会話にも自然についてこれるのだけど、
中には手話にまだ慣れてない人は、なかなか理解してもらえないこともある。

例えば、ここまでどうやって来たの?という質問をしたら、
小田急線と答えてくれた時のこと。

そのクラスに小田さんという名前の生徒さんがいるので、
「へー、小田さんのおんぶで、ここまで来たんだ(笑)」
と冗談を言ったんだけど…

???(๑˙―˙๑)???
なんのことかサッパリ??冗談が通じなかったみたい。

冗談がつまんないとか面白いということは抜きにして、
真面目な話をしたのではなく、
冗談を言っただけなんだなとその場の空気や雰囲気で理解してほしいな。

え?何、何?
何がなんだかさっぱりわからない?ではなくて、
その場の空気、雰囲気をつかむってことも実はとても大事なことだよ。

例えば、その他にも、
注射や診察という手話は、
その基本の医療の意味の他にも、ろう的手話では使うことがある。

例えば、ろう的手話では、腕に注射する表現をして、
パチンコ+注射、アルコール+注射、タバコ+注射
と表現する場合があるんだ。

生徒さん、え?注射するの?体調は、大丈夫?
タバコ注射って、なんだろう…?

うーん…少しニュアンスが違う。

注射の意味ではなく、
〇〇がやめられないって意味で普通に使うんだ。
やみつきとか、中毒とか、やめられないと同じ意味だよと説明しても、
なかなか理解してもらえない。

その他にも…
初めて来た人に対して、「診察する」と表現した時なども、

え?なに、診察?病院診療…?ってどういうこと?医療手話?
と真面目にとらえてしまう。

この場合は、あなたの性格、人柄はどんな人かな…
つまりいろいろ伺いたいって意味で診察する、と表現しているんだ。

この注射や診察などの表現は、ふざけてる冗談手話ではなく、
ろう的表現では当たり前に普通に使っている。

他にも、11を人差し指と小指を片手で同時に出す表現も、
ろう手話では普通の表現なんだよ。

通訳など公的の場でそう表現するのはダメと言われることがあるかもしれないけど、
ろう者の中では、当たり前の表現なんだ。

例えば、他にも、ヤバイという表現。
両手で指文字のヤを作り、片方のヤに重ねる。
ヤが倍になって、ヤバイ。

ろうでもこの手話を気に入っていて普通に使ってる人もいるし、
冗談手話ではなく真面目な手話だという考え方の人もいっぱいいるんだ。

でも、「ヤバイ」という手話は、
日本語の音に手話に当てた日本語手話であって、イメージ手話ではない。
だから、それを不快に思う人もいるんだよ。

ろう的手話では通常使われる注射や診察という表現と、
ヤバイのような日本語の音からくるゴロ合わせ的な手話は、
種類がまったくの別物なので混濁しないようにしてな。

この表現の意味はこれ、と決めつけるのではなく、
手話にはいろいろな意味があるので、臨機応変に使い分けてほしい。

真面目な話だけじゃなく、幅広くいろんなトークをしていこうな。


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