花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

盛彦コラム #14 空書・指文字について

サッカーワールドカップ、日本チーム残念だったよな……

意外だったのが、FIFA世界ランキング1位のスペインチーム。
今回、チリに2-0で破れ、グループリーグの敗退が決まった。
2010年のワールドカップを優勝し、今年も有力な優勝候補だったのにな。

2014年は波乱のワールドカップだよな。

日本チームも本当に残念だったな。
技術は持ってるんだけど、メンタルで負けたな……。
本当に残念だよ。

日本は24日(日本時間25日)の1次リーグ最終戦
コロンビアに勝つことが1次リーグ突破の最低条件だ。
同じ時間に行われる試合で
コートジボワールギリシャに負けるか、引き分ければ可能性が残る。

厳しいけど、最後まで頑張ってほしいな。
ガンバレ!日本!!


今回のテーマ【空書・指文字について】

空書はろうにとっては、大切なコミュニケーションツールの1つなんだ。

空書の読み取りが、苦手という人もいるよね。

健聴にとっての、空書の苦手な部分と言えば、
早くて読み取れないところだと思う。
ろうにとっては、自然な早さだけど、
健聴には空書のスピードが早すぎて読み取れないってことだよね。

ろうは、そのスピードで読み取れるんだよ。
だから、ろうにとっての空書の苦手な部分は、そこじゃないんだな。

つまり、健聴が苦手とする理由と、ろうが苦手とする理由は、違うということだ。

ろうは、読み取れないわけじゃなく、
速度的には文字を完璧に読み取れてるんだよ。
じゃあ、苦手な理由は何かってことになるよね。

健聴者は、空書の際に『ひらがな』で書くことが多い。

でも『ひらがな』はさ、漢字のルビ(ふりがな)にあたるわけなんだよ。

つまり、ルビ(ふりがな)って言うのはさ、漢字の読み方なわけで、
それは『音(おん)』なわけだよ。

ろう者は、視覚で物事をとらえてるので、『音』で書かれても
わかりにくいんだ。

ろうは、生活のなかで目にする本やテレビ、
車内広告の文字をそのままの形で目から吸収し、習得する。
それに比べて健聴者は、耳から吸収してるから、その生活環境の違いなんだよ。

空書をひらがなで書かないで欲しいということではなくて、
見たままを書いて欲しいってことなんだ。

漢字をわざわざ『ひらがな』にする必要はないし、
漢字は漢字で、ひらがなはひらがな、カタカナはカタカナのまま、
数字や英語もそのままの形で、見たままを表して欲しい。

漢字をひらがな(読み)で書いたり、カタカナをひらがなで書いたりせず、
それぞれを区別しながら見たままに空書してほしいんだ。

指文字も同じで、
健聴にとっての苦手とろうにとっての苦手は、意味がちがうんだよね。

指文字も健聴にとっては、早いと読み取れないという苦手部分ではあるよね。
空書も指文字も同じことが言えるけど、ろうは『音』で表現されると、
文章が長くなればなるほどわかりにくくなるんだ。

スピードが早いと読み取れない健聴と、
『音』で表されると意味がわかりにくいろう。
苦手な理由が違うわけだ。

指文字や空書は基本で、大事なことだけど、
それ以上にろうにとって、手話やCLは大切なんだよ。


生徒さんから『指文字、空書苦手です…』って話をよく聞く。

『質問するけど、手話やCL法が得意なの?』とオレが聞くと
『…確かに…まだまだですね』と。

手話やCL法を身につけられたのなら、
その後の空書や指文字の習得は、簡単だよ。
余裕で、読み取れるよ。

読み取りにしても表現にしても、
それだけ手話やCL法は、奥深くて難しいということなんだよ。

手話、CL、身振り、空書、指文字を使いこなせると、
コミュニケーションの幅が広がるよ。

そのような、健聴とろうの環境の違いや背景を知った上で、
改めて空書や指文字というものを考え、見直し、そして習得していって欲しいと思ってる。

そして、そういう生活環境の違いということを理解して、
ろうに対し歩み寄り、考えてもらいながら、空書や指文字を身につけて欲しい。


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