花井盛彦の日記

HANAIプロダクション・NA花井盛彦手話教室 代表 手話アーティスト

よみうりカルチャー川崎手話教室ステップアップの授業 #3 (2014.10~12月期)

10月23日、よみうりカルチャー川崎手話教室
ステップアップクラス(10〜12月期)第3回目の授業を開催した。


テーマ【日本地図】

生徒さんそれぞれに、自分のイメージする日本図を描いてもらった。
その後、オレが県名を手話で表現し、
それがその図のどこにあるのかを記入してもらった。

東京はどこ?京都はどこ?滋賀は?
47都道府県の全てではなくて、
だいたい30くらいを表現し、書き込んでもらった。

その後、みんなで確認。
生徒さんは神奈川に住んでるから、
その近辺、関東ついてはだいたい合ってたな。
でも、関西から下の方は、曖昧でかなりのズレがあった。
山口や岡山、島根、兵庫辺りが、難しい。
九州なんかバラバラだったな(笑)

四国の香川県が中国地方に移動していたり、
ビックリしたのは、東京の近くに大阪なんていうのもあった。
そして、その大阪の下は静岡県だって?(笑)

イメージと位置は大切だよ。
暗記や記憶が苦手というのもすごくわかる。
例えば、地図帳みたいな本格的な細かな日本地図を覚える必要なんてなく、
天気図などに出てくる簡単な図でいいんだよ。

細かい地図じゃなくて、四角っぽい北海道があり、本州四国九州
と、デフォルメされた簡易的な日本図で十分なんだよ。
書き方を工夫すること。

47都道府県だけじゃなくて、
関東/関西や、 東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州などの
日本の地方区分の表現も合わせて覚えよう。


例えばさ、外国人にどこに住んでるのか?と尋ねられた場合、
『東京』と答えても、東京が日本のどこにあるのか知らない場合もある。
そんなときは、空間に日本図を描き、この辺りが東京と教える。
そうすると、東京がどこかわからない外国人でもイメージしやすく、理解できる。

何気なくみているのではなく、
地図のこの辺りということを、日頃からイメージし、
把握しておくということが大切なんだよ。

逆に、アメリカ人に出身はどこ?って聞く場合もあるよな。
そんな時は、右手と左手の親指を繋げた形で、
北アメリカ大陸南アメリカ大陸を表現できるんだよ。
そして、その手のどこの位置辺りかを指し示してもらう。

北アメリカ大陸の右側、ニューヨークの方なのか、
上のカナダ側なのか、
左側ロサンゼルス辺りか、シアトル方面なのか、
地名や位置を知らなくても、アメリカのどのあたりなのか、
その手を見て一目瞭然だよな。

日本語、英語などお互いの言葉がわからなくても、イメージできるんだ。
大切なことは、相手にわかりやすいイメージを工夫するということだ。

聴者とろう者の、物事の捉え方の違いってなんだかわかる?

聴者は、物事に対し音から入り、それを文章や単語に変換して確認する。
『ニューヨーク』という音から、文字や文章にして、その場所を調べる方法だ。
つまり聴者は、ニューヨークはどこ?と探す方法だ。

ろう者の場合は、
ニューヨークは、この辺りといわれた位置を記憶し、そして『ニ』…『ュ』……を認識。
ニューヨークのニュ以外を忘れても、最初と最後あたりを記憶。

そして地図の場所から、その位置を見つけるんだよ。
位置と『ニ』『ュ』から、ニューヨークを探し出すんだ。
つまりろう者は、地図の位置から、当てはまるものを探すという方法。

音から探す聴者と、イメージから探すろう者では、
見方や捉え方、やり方の方法が違うんだよな。

みんなも、映像やイメージから入る捉え方をすると、イメージ表現力がアップするよ。
レーニングして、手話の幅を広げてな。


1日体験の方が、『日本の地名が全部頭に入っててすごい!素晴らしい』と、
生徒達のことを言ってくれた。
入門初日の体験に来てから、1年以上通ってくれてる生徒さんたちが今もステップにいる。
手話を全く知らなかった生徒さん達が、すごいねと言われるまでに成長した。

オレ、そう言ってもらえて、そんな様子を見て、すごく嬉しかった。


また会おうな、お疲れさん。


イメージ 1




イメージ 3

イメージ 2